目標達成のための自制心が三日坊主でおわってしまう心理学的理由
立てた目標のために決めたことを毎日行うというのは、誰しも行ってきたことかと思います。
例えば「痩せる」ことを目標にするとします。
あるいは、「半年で 10kg 痩せる」とか、もうすこし具体的な目標かもしれません。
その目標に対して、たとえば、「毎日食べていた間食(お菓子)をやめる」というプランを立てるとします。
人によっては、「三日に一回 5km のランニングをする」という人もいるかもしれません。
問題はそのプランが実行できないということです。
お菓子の食べたい欲に負けてしまった、や、面倒でランニングを怠けてしまうからです。
誰でもわかっていながら、「食べたい」「休みたい」という目の前の欲望に負けてしまいます。
最新の心理学では、自制心は「筋肉」のようなものだと考えられてはじめています。
負荷がかかると疲弊し、一時的に休みたくなるということです。
1990 年代に心理学者のロウ・バウマイスターらがおこなったこんな実験があります。
- 被験者の学生たちには、あらかじめ空腹状態になっておいてもらいます。
- ある部屋のテーブルに、チョコレートが盛られたお皿と生のラディッシュ(生で食べるとマズい)が盛られたお皿を用意しておきます。
- 学生には一人で部屋に入ってもらい、A グループにはチョコレートを食べるように、B グループにはラディッシュを食べるように指示します。
- その後、両グループの学生たちに解くのが不可能なパズルゲームをしてもらい、「どのくらいの時間で解くのを諦めるか」を計測します。
- 結果は、チョコレートを食べた A グループの学生たちが平均で 20 分ほど、生ラディッシュを食べた B グループの学生たちは平均 8 分ほどで諦めるという結果になりました。
筋肉理論で言えば、B グループの学生たちはチョコを我慢することに自制心を使ってしまったので、パズルを解くのを早く諦めた、というわけです。
自制心は、意外にも色んなことに使うようで、上司からの嫌味攻撃に耐える、会議中に睡魔と闘う、といったことだけでなく、メールを一本書いたり、コンビニで買うものを選んだりといった些細なことでも自制心を消耗することがわかっています。
仕事や勉強で忙しい一日を過ごした後は、自制心を使い果たしてしまっている状態になります。
そのために解決策としての提案は、毎日負担にならないルーティンを作ることです。
飲み物を水に変えるだとか、お風呂にいつもより長く入って汗を流す、など。
日々していることにプラスアルファで行うことで、達成感や自分の変化を感じることができるかもしれません。
今回は、実際に会った心理学実験が面白いなと思い紹介させていただきました。
それでは、また(*'ω'*)